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CANDY PERFUME BOY















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[ --/--/-- --:-- ]Posted by貴咲 光流 | スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)|[記事編集]

二つ身の魂 Ⅱ

その話は、其の日の内に国中に知れ渡り
救世主の御霊を宿した皇子が誕生したと、ティルムンの民らは歓喜に沸きかえった。

マシラ皇も幸福の絶頂にあったが
ただ一人、皇室占導師のアリネスタだけが不穏なものを感じていた。
皇子の魂が、二つに分かたれた片割れであることを知っていたからである。


「マシラ皇よ。ここに慎んで進言いたしまする」

「何じゃ?申してみよ」


マシラ皇は人の良さそうな顔を皇子誕生の喜びからか、更にほころばせて答えた。
一国の王というよりは、まるで吟遊詩人のような柔らかさを持っている。
長きに亘って鎖国を貫き、自国の平和を守ってきた島国ティルムン皇国に、狡猾で猛々しい王はいらなかった。
皇室内での最高権力を維持することが、最大の関心事であるアリネスタのような者にとっては、マシラ皇のような凡庸そのものの王こそが望ましい。


「恐れながら・・・
皇子の魂は二つ身の片割れにございます」

「何だと!!?」

穏やかなマシラ皇も流石に声を荒げた。
其れもそのはず。
ティルムンでは二つ身は忌み嫌われ、大概は先に誕生し児を人知れず川に流すのだから・・・


「かつて、私の占導に誤りのあった事がございましたでしょうか?
これから私の見立てを申し上げますので心してお聴きくださいますよう・・・」


アリネスタは今まで見せた事の無い緊張の面持ちで、ゆっくり噛みしめて語り始めた。


「皇子は真、救世主としての天命をその御霊に刻む者。    ですが・・・」

アリネスタは躊躇するかのように一旦言葉を区切った。





「片割れの魂は魔にございます」
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[ 2010/06/08 22:56 ]Posted by貴咲 光流 | 未分類 | TB(0) | CM(0)[記事編集]

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